骨が足りないと診断されても、諦める必要はありません

インプラント治療を希望して歯科医院を訪れたとき、「骨が足りないので治療できません」と言われた経験はありませんか?

実は、骨量不足と診断された患者様でも、「骨造成治療」という方法を用いることで、インプラント治療を受けられる可能性があります。他院で断られた方も、治療の選択肢が広がるかもしれません。

インプラント治療を安全に行うには、ある程度の骨の高さや厚みが必要です。歯周病の進行や抜歯後の骨吸収により、骨量が不足してしまうケースは少なくありません。しかし、骨造成という技術を用いることで、骨を増やし、インプラントの埋入を可能にすることができます。

骨造成治療とは?骨を増やす技術の基本

骨造成治療とは、インプラントを埋入するために必要な骨の高さや厚みを確保する治療法です。

歯槽骨を一度失ってしまうと、その部分へのインプラント埋入が難しくなります。骨が欠損した部分では、骨を作る「骨芽細胞」よりも、骨にならない「線維芽細胞」の方が増殖しやすいという特徴があります。そのため骨造成では、骨形成の妨げになる繊維芽細胞の侵入を防ぐため、骨を増やしたい部分を「メンブレン」という人工膜で覆い、その中に自家骨や人工の骨補填材を詰めて骨芽細胞の増殖を促します。

骨造成には、いくつかの方法があります。患者様のお口の状態や骨の欠損状況に応じて、最適な方法を選択します。

GBR法(骨再生誘導法)

GBR(Guided Bone Regeneration)は、骨の厚みや高さが足りない場合に行う歯槽骨を再生する方法です。

治療では、まず自家骨または骨補填材を骨が不足している部分に充填します。次に、骨形成を阻害する繊維芽細胞が入り込まないよう、メンブレン(人工膜)で覆います。骨量不足が小さい場合は、取り出す必要がない体内で吸収されるタイプのメンブレンを使いますが、骨欠損が大きくたくさんの骨造成が必要な場合は、チタンで作られた非吸収性のメンブレンを使うことから、インプラントの定着後にメンブレンを取り出す必要があります。

歯槽骨の再生には個人差がありますが、およそ半年から10ヶ月ほどの期間がかかります。インプラントと骨をしっかり結合させるために、強い力や刺激を与えないよう患部の安静を保つ必要があります。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎の奥歯部分の骨が不足している場合に用いられる治療法です。

上顎洞(サイナス)という空洞の底部を持ち上げ、そこに骨補填材を入れることで骨の高さを確保します。骨の高さが大幅に不足している場合に適用されます。

ソケットリフト

ソケットリフトは、サイナスリフトと同様に上顎の骨を増やす方法ですが、より低侵襲な治療法です。

インプラントを埋入する穴から骨補填材を入れ、上顎洞底部を持ち上げます。骨の不足が比較的軽度な場合に適しています。

骨造成治療のメリットとデメリット

骨造成治療には、多くのメリットがあります。

最大のメリットは、骨量不足でインプラント治療を諦めていた方も、治療を受けられる可能性が広がることです。他院で断られた方でも、骨造成を行うことで安全にインプラントを埋入できるケースがあります。

骨造成治療のメリット

  • 骨量不足でも安全にインプラント治療が可能になる
  • 長期的にインプラントを機能的、審美的に安定させることができる
  • 他院で断られた方も治療の選択肢が広がる
  • 適切な骨量を確保することで、インプラントの予後が向上する

骨造成治療のデメリット

一方で、デメリットも理解しておく必要があります。

  • 治療期間が長くなる(骨の再生に半年から10ヶ月程度必要)
  • 外科的処置が必要となる
  • 治療費用が追加でかかる
  • 骨の再生状況には個人差がある

骨造成治療は、患者様のお口の状態によって適用できるかどうかが異なります。事前のカウンセリングで、骨を増やす必要があるのか、どのタイミングで骨造成が行われるか、なども、しっかりご説明いたします。

当院の骨造成治療へのアプローチ

かさはら歯科医院では、患者様一人ひとりに最適な治療を提供するため、最新の設備と技術を導入しています。

インプラント治療では、「DTX Studio™️Implantソフトウェア」を用いて治療計画を立案します。

安心安全なインプラント治療を患者様に提供するために、このソフトウエアを用いてインプラントに歯が入る状態を想定し、治療計画を立案しています。

手術の際にその情報をもとにX-ガイドを用いた「ダイナミック・ナビゲーションサージェリー」またはサージカルテンプレートを用いた「ガイデッド・サージェリー」にてインプラントの埋入手術を行います。これらの手術方法を用いることで、より正確で安心・安全なインプラント治療を行うことができます。

精密な診断を可能にする設備

当院では、歯科用デジタルパノラマ・CT X線装置を導入しています。

低被曝、高解像度、3次元での診査により、さらに正確な診断が可能となります。骨の状態を詳細に把握し、最適な骨造成の方法を選択することができます。

患者様に寄り添った治療

当院は、患者様お一人に最低30分の診療時間を設け、患者様のお困りの事や、痛み、違和感をよくお話いただき、様々なアドバイスやご提案、ご理解をいただいてから治療を行うというインフォームド・コンセントを大切にしています。

骨造成治療は、治療期間が長くなることもあり、患者様の不安も大きいかと思います。当院では、治療の各段階で丁寧にご説明し、患者様が安心して治療を受けられるよう努めています。

骨造成治療の流れ

骨造成治療とインプラントの埋入を同時に行う場合の治療の流れをご紹介します。

1. 自家骨の採取(必要な場合)

自分の骨を使って骨造成を希望される場合、まずは自家骨の採取を行います。自家骨は、オトガイ部(下顎の先端)または下顎枝(下顎の奥歯の外側)から採取するのが一般的です。インプラントの埋入とGBRを同時に行う場合は、「ボーンミル」という粉砕器を使って、採取したブロック骨を細かく砕いておきます。

2. インプラントの埋入

歯肉を開いて、土台となる顎の骨にインプラントを埋め入れます。

骨の高さや厚みが十分にある場合は、インプラントは骨にすっぽりと収まりますが、GBRを受ける患者様は通常に比べて骨量が少ないため、インプラントを所定の位置に埋入しても骨に収まりきらずに、一部が露出している状態になります。

3. 自家骨または骨補填材の充填

骨形成を阻害する繊維芽細胞が入り込まないよう、自家骨または骨補填材をメンブレン(人工膜)で覆います。

4. 歯肉の縫合

自家骨または骨補填材をメンブレンでしっかり覆ったら、開いた歯肉を縫合して閉じます。

5. 治癒期間

個人差がありますが、歯槽骨の再生にはおよそ半年から10ヶ月ほどの期間がかかるため、インプラントが固定するまで待ちます。インプラントと骨をしっかり結合させるために、強い力や刺激を与えないよう患部の安静を保つ必要があります。

6. 人工歯の装着

インプラントの固定が確認されたら、上部構造(人工歯)を装着します。まずは、インプラントを埋入した部分の歯肉を開き、人工歯を接合するための「アバットメント」という部品をインプラントに接続してから、その上に「上部構造(人工歯)」を装着します。埋入の際に非吸収性のメンブレンを使用した場合は、この時一緒にメンブレンの取り出しを行います。

インプラント費用の完全ガイド|相場と選び方のポイント

まとめ〜骨が足りないと言われても、諦めないでください

骨量不足と診断されても、骨造成治療という選択肢があります。

GBR法、サイナスリフト、ソケットリフトなど、患者様のお口の状態に応じた治療法を選択することで、安全にインプラント治療を受けることができます。他院で断られた方も、治療の可能性が広がるかもしれません。

当院では、最新の設備と技術を用いて、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。インフォームド・コンセントを大切にし、患者様が安心して治療を受けられるよう努めています。

骨が足りないと言われて諦めていた方、インプラント治療を希望される方は、ぜひ一度ご相談ください。詳細はかさはら歯科医院の公式サイトでご確認いただけます。

監修医師

かさはら歯科医院 院長 笠原 洋史 

https://doctorsfile.jp/h/194172/df/1/

【経歴】

平成9年 日本歯科大学 新潟歯学部 卒業

医療法人慈皓会 波多野歯科医院 入職

平成10年 藤本研修会 補綴・咬合コース

平成12年 MAXIS implant institure Step by Step Course

平成14年 くれなゐ塾 20期セミナー

     スウェーデンにてインプラント研修

平成16年 厚生労働省臨床研修指導歯科医認定

平成17年 医療法人慈皓会 波多野歯科医院 退職

    かさはら歯科医院 開設

平成23年 JIADS研修会 Endoアドバンスコース

などその他多数受講

【所属学会】

顎咬合学会

デンタルコンセプト21